『タケモト式禁煙療法』誕生の背景

現在の禁煙治療として、禁煙外来による投薬面での治療と、禁煙セラピーなどに代表されるカウンセリング療法がメインになります。両者の内容は【薬物依存】と【心理依存】に、分けられています。前者では、段階的にニコチンを抜いていき慣れてしまえば、禁煙できるとし、後者は、メンタル面が一番重要で、麻薬と比べて、禁断症状は軽微で、その証拠に「禁断症状で、夜中に目が覚めたりはしないでしょう」などと書かれている書物すらあります。先に結論から申し上げると、【完全禁煙】には両方必要です。

【完全禁煙】とは、徹底的に再喫煙リスクを抑ることで、将来的にもタバコを必要としなくなる禁煙です。これには、【心理依存】と【薬物依存】の両面のケアをしなければいけません。いずれにしても、禁煙する過程で、軽微とされる禁断（離脱）症状をガマンして乗り越えて、無理やり諦める形で何とか禁煙できたとしても、喫煙していたその背景に隠されている仕組みを、心から理解せずに禁煙してしまったことで、将来何かの拍子に誘惑に負けてしまい、禁煙に失敗して、またタバコを吸ってしまう方が、多数いらっしゃいます。せっかくガマンや努力して禁煙したにもかかわらずです。

私は、カウンセリング時に【タバコの悪女論・悪男論】として解説させていただくのですが、悪女・悪男と分かりつつも、ずっと長く付き合っていた最愛のパートナーと、未練タラタラで無理やり引き離されたとしたらどうでしょうか？

「周囲は悪いヤツだと言うけど、俺にはこんな優しい一面も見せてくれるんだ・・・」

「たしかに、みんなが言うとおりだけど、私だけには優しくしてくれる・・・」

悪いと分かっていても、後ろ髪をひかれる思いで、強引に別れさせられると、どうなるでしょうか？繰り返しますが、ちゃんと相手が悪いヤツだと分かっていてもです。時が解決してくれれば良し、人生いろいろで、落ち込んで居いた時に、もしバッタリ偶然再会してしまうと・・・。

タバコを止めること自体は簡単ですが、無理せず楽に、もう二度とタバコの誘惑に負けない【完全禁煙】をすることは、現状の禁煙指導では、困難であると考えます。